太陽光投資のメリット・デメリットについて

前回の記事で私の太陽光投資物件の話をしたので、今回は太陽光投資のデメリットについて書いてみます。
前回の記事はこちら

2012年に再生可能エネルギー固定価格買取制度が始まり、太陽光発電で発電された電気を20年間の長期にわたって国の支援の元電力会社が買い取るようになってから急速に投資対象として広がっていきました。
この再生可能エネルギーは風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電など様々なものがありますが、太陽光発電投資が一番広まりました。理由としては一番初期投資コストが低く150坪くらいの土地や自宅屋上、またはアパートの屋上に一定のスペースがあれば建設も簡単なので融資を利用して参入しやすいことです。
太陽光投資への参入者が急激に増えた為、一時は九州電力など各電力会社が送電の連結を保留・拒否する事態も発生した為か固定買取価格は毎年下記のように下げられていきました。
10KW以上全量売電(税抜) | 10KW未満余剰売電(税抜) | |
2012 | 40円 | 42円 |
2013 | 36円 | 38円 |
2014 | 32円 | 37円 |
2015 | 29円 | 33円 |
2016 | 24〜27円 | 31円 |
2017 | 21円 | 28円 |
2018 | 18円 | 26円 |
2019 | 14円 | 24円 |
他の理由としては太陽光発電の設置費用が技術の進化によって確実に安くなっているからです。固定価格買取制度が始まった頃は設置費用が高かったので、利回りが出るように売電価格も高く設定されていました。全国で普及が進み、海外製の安いパネルも市場にでてきた事で設置コストが下がり買取価格を下げても同じ利回りになるので年々下がっていきました。
余剰買取制度・・・10KW未満の太陽光パネルを設置し、発電した電気を家庭で使用したあまりを売電する制度。10年間の固定買取制度なので売電単価が少し高めになっています。
全量買取制度・・・10KW以上の太陽光パネルを設置し、発電した電気全てを売電する制度。20年間の固定買取制度なので余剰売電制度に比べると売電単価が安く設定されています。ほとんどの太陽光投資はこの全量買取制度で行われています。
私は自宅の屋根に10KWの太陽光パネルを載せて余剰売電制度を利用しています。2019年度に申請したので24円の売電単価ですが毎月2万円から3万円の売電収入を得ています。
また、投資物件として前回の記事で書いた50KWの太陽光発電所以外にも、5つの投資用不動産の屋根にも10KWずつ全量売電制度を利用して収入を得ています。
ここから太陽光投資のメリット・デメリットについてまとめてみます。まずはデメリットから。
太陽光投資のデメリット
1:天候の影響を受ける

太陽光を設置して売電収入を得ようとすると必ず天気の影響を受けます。自然相手ですので未来の天気については正直わかりません。
対策としては太陽光パネル販売会社のシュミレーションを参考にしたり太陽光発電用標準基準データ(NEDO日射量データベース)にしたりする事で年間平均の日射量を調べる事ができます。
独立法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO):http://app0.infoc.nedo.go.jp/
私が体験して感じた事は4月から11月までの間はたくさん発電するので返済しても利益が毎月残り、12月から3月までは発電量が返済分くらいとトントンになるといった感じです。4月から11月までの7ヶ月で収益が出てますので日照量の低い冬は仕方ないと割り切っております。私の経験上太陽光発電システム販売会社が出すシュミレーションもほぼ正確であると言えると思います。
2:稼働実績が短い為20年後どうなるのかわからない

太陽光発電事業が国内で本格的に稼働してからまだ日が浅いので、20年後どうなるのか?という不安があります。2012年から固定買取制度が始まったのでまだ20年間稼働した太陽光発電システムはまだありません。
対策としてはいくつかあります。
・そのまま売電を続ける・・・20年間の固定買取制度が終了しても各電力会社が1KWHあたり7円で買い取ってくれると発表しております。20年後には融資も完済しているので7円で買い取ってくれたとしても毎月収益が発生します。新電力会社が既存の電力会社良い高値で買い取ってくれる可能性も大いにあります。
・自己消費に切り替える・・・自宅の上に載せている太陽光発電システムならば蓄電池を購入して作った電気を自家消費に切り替える事で毎月かかる電気料金が家計からなくなる事になります。蓄電池の値段も落ちてきているので、20年後にはさらにお手頃価格になっていると思います。
私の予定では固定買取制度の期間が終了したあとは10KW以上の全量売電太陽光システムはそのまま売電し続け、自宅の上の余剰売電太陽光発電システムは蓄電池を導入して自己消費に切り替える予定です。自宅はオール電化で、毎月13000円ほど、夏は25000円ほど電気代がかかっているので将来この固定費がなくなるのはメリットと捉えています。
3:パネルやパワコンの故障リスク

20年間の売電期間にパネルやパワコンの故障リスクがあります。台風や災害などで物が飛んできてパネルが割れてしますと発電量が減ります。またパワコンが故障すると発電した電気を電力に送る事ができなくなり、収益に大きなダメージが発生します。
対策として太陽光システムを購入する前に保証がついているかどうかを確認します。ほとんどのメーカーがパネルは25年間の出力保証・10年間の製品保証がついてきます。パワコンも最低でも10年の保証が無料でついてきます。
私の友人ヒデ君は現在海外に住んでいて沖縄で太陽光発電投資発電所を所有しています。台風で物が飛んできてパネルが割れてしまっていたのですがしばらく気づかなかったそうです。発電量が落ちている事に気付いた沖縄電力からメールがきて太陽光発電システムの設置場所に人を送ってみるとパネルが割れている事に気が付いたそうです。沖縄電力さまさまです!!!パネルの保証を使って無料で修理してくれたので、ロスは最小限で済んだそうですが、保証と定期的な巡回は必須です。
また監視システムの導入も有効です。私は監視システムを約10万円程で購入して50KWの野立太陽光発電所に設置しています。10万円を20年間で割ると年間5000円、月にすると416円程の経費なので発電が止まるリスクを考えると導入して正解でした。実際に台風がきて停電した時や、停電から復旧した時にメールがくるのでわざわざ現場までいく必要がありません。
4:固定買取制度の売電単価の下落

前述した表でも説明しましたが、毎年売電単価が落ちてきています。もう太陽光投資はオワコンと言われてますが太陽光パネルシステムの導入単価も比例して下落しているので利回りは8−9%をキープできています。遊ばせている土地がある人やアパートの屋根にスペースがある人はまだまだ投資対象として成り立つと思います。
私は先月太陽光発電システムのコンサルを友人2人に行って銀行の融資相談まで行いました。一人は名護市にある使っていない土地に50KWの太陽光発電システム、一人は自宅アパートの屋上に20KWの太陽光発電システムの導入をプランニングして、二人とも融資承認されました。銀行が融資するということは投資対象であるという証拠ですからね。二人とも不労所得ができたと喜んでいます。
5:悪質業者

これは一番気をつけた方がいいです。沖縄でも一時期は相当な数の太陽光販売会社がいてどこも潤っていましたが、固定買取制度の買取価格が下落し始めてからほとんどの太陽光販売会社が潰れてしまいました。利回りは一緒なのにもう太陽光投資は利益が出ないと多くの人が投資対象として見なくなったからでしょう。
私が最後に自宅用で購入した太陽光発電システムの販売会社はひどすぎましたので参考までに。笑
2018年の5月に余剰売電で契約したので見積りでも売電価格は税込28円の予定でした。契約した際にすぐ沖縄電力と経済産業省に申請しますと営業担当には言われました。実際に自宅が完成したのは2018年10月末で、完了検査後すぐに屋上に太陽光システムを設置しました。普通は設置後、経済産業省から許可が降りて売電が始まってから支払いをするのですが。。。営業の人に「8月には申請していて、12月か年明けの1月には売電開始できるので先にお支払いお願いします。」と言われたので信用して285万円支払いました。
しかし12月になっても1月になっても許可が降りた連絡はありませんでした。営業担当に電話をしてももう少しです、もう少しですと言われ続け3月になっても許可がおりた連絡はありませんでした。
怒って会社に電話をして社長を電話に出せと要求すると、ミスがあったので申請担当が営業担当と一緒に私に会いたいと連絡してきました。会って話を聞いてみると、申請担当が私の太陽光システムの申請を経済産業省にし忘れたと。明日急いでやりますのでこの書類に記入してくださいと。こんなビジネスの仕方ってありませんよね。明日急いでやっても許可が降りるのは年度の変わる4ヶ月後ですから。
今から申請するなら売電単価は2円下がった26円ですよね?このロスは現金で返してくれるんですよね?私は28円の売電単価ですでに支払いしていますので。計算すると10年間で24万円のロスですよ。
と伝えると
「いえ、それはないです。」の回答(笑)
どう考えてもふざけてますよね。今記事書きながらイライラしてきました。私が先に支払いをしなければロスの分を引いた金額を支払うだけでよかったかもしれませんが、支払いした事で開き直ったんでしょうね。
実際この会社は社員もたくさん辞めていてそろそろ潰れると予想していますが、今度の休みにでも事務所に契約書と見積もりを持って社長に差額分の返金を請求しに行ってみようと思います。
友人のヒデくんの利用していた太陽光システム販売会社も潰れていたそうです。。。
このように悪徳業者やすぐに潰れてしまう業者がたくさんいるので太陽光発電システム導入時には注意が必要です。
と、今回は太陽光投資の概要とデメリットについてでした。
次回はメリットについて書いてみようと思います。